働き方改革

#16 教員の働き方改革⑥ 〜危機的状況打開のために本当に必要なこと〜

授業準備
ごりお
ごりお
2023年8月28日、中教審から緊急提言がなされた。業務の適正化、授業時数の点検、支援スタッフの拡充などが盛り込まれているけど、現場の先生からすると「いやそれはそうなんやけど、、、いやどうなん、、、いつ早く帰れるようになるん、、、」という反応が多いのでは、、、💦💦
まこ
まこ
今回は危機的状況から脱するために今何が本当に必要なのか提案します!!

こんにちは!!まこです。

提言には残念ながら最も大切な内容が盛り込まれていません、、、

中教審の立場的に盛り込めないんだとは思いますが、、、

危機的状況ってどういうレベルなのでしょうか??

最上位クラスだと思いますが、、、

今後もっと悪くなったらどう表現するんでしょうか、、、

大ピンチ??

命を守る行動をとってください??

今回は現状最も優先して議論すべきこと、改善すべきことを提案します。

まこ先生
まこ先生
この記事は次のような人におすすめ!

・全ての先生方

・働き方改革を着実に進めたい先生

改革の方法について悩んでいる管理職の先生

自治体の教員を確保したい教育委員会の先生

学校教育業界の人材獲得競争力を高めたい方

結論 〜本当の最優先事項2つ〜

どうすれば、先生方が毎日早く帰れるようになるか、本当に議論されているんでしょうか?

考え尽くされているでしょうか?

めちゃくちゃ疑問です。ここまでの取組、的外れすぎですから。

先生方や組合にもほんの少しだけ問題があります。特に組合はニュアンス的には『余計な仕事を増やすな•削減しろ』と主張していることが多いです。これは危機的状況にある教員の働き方改革の観点からすると大きな間違いです。

まず、議論すべきことは『2つ』なのです。

先生方が毎日やっていることって何でしょうか?

先生方が毎日苦労していることって何でしょうか?

若い先生方、まず苦労することって何でしょうか?

先生方の仕事って何ですか?

先生方の本業って何ですか?

『授業』と『授業の準備』

ですよね。先生方が毎日早く帰れるようにするために

最優先事項は以下の2つです。ここまでやらないといけない状況です。やらなければ持続不可能な状況です。それが危機的状況です。

①各教科の授業時数を減らす

各教科の教える内容を精選して減らします。それによって小中学校は毎日多くても5時間目で終わるようにします。

②各教員の授業の持ちコマ数上限を設定して例外なく守る

例えば「クラス担任の理科教員は理科の授業は16コマまで」などの上限を設定します。これによって各教員の空きコマ(宿題点検や授業準備の時間)を確保します。現状全くできていません。

この2つです。すぐできないのはわかっています。しかし、議題にも上がっていないのは致命的です。それこそ危機です。遅すぎます。

長い提言でごちゃごちゃ言っている、書いてることは、正直時間がかかるだけかかって、そんなに早く帰れるようにはならないので、優先度は低いです。すでにけっこう進んでるものもありますし。

提言の内容は時間だけかかって費用対効果、インパクトが小さすぎます。あとまわしにした方が賢明です。

授業時数表です中学校の授業時数です(文部科学省HPより)

表を見てください。

例えば中学校2年生理科。1年間で140コマになっています。4クラス担当すれば年間560コマになります。多すぎます。担任すれば、学活、道徳、総合などがついてきます。多すぎます。これらを減らさなければ、改革にならないのです。文科省も教育委員会も組合もそれをわかっていません。どこを目指すべきかわかっていません。先生方にもこの大切な発想がないかもしれません。

例えば中学校2年理科が20コマ減って、年間120コマになれば4クラスで80コマの削減になります。

年間約80コマ×50分+その準備40時間(1コマ分30分と見積もって)=約107時間分の業務が減ります。107時間は107時間÷8時間=約13日間。年間休日で言うと13日間増える計算になります。インパクト絶大です。

現代の子どもたちにもっとも必要なのは知識(も大切だけど)ではなく『考え方』です。

教える内容は今より格段に少なくして良いはずなのです。

例えば、中学校理科の内容。中学校では物理、化学、生物、地学の4つの分野を学びます。改めて見ると、、、当然どの分野も大切です。

しかし、私が文科相ならここはあえて思い切って地学をなくします!

とか言ったら、地学の偉い人から怒られるからできません!!

しかし、それくらい思い切らないと危機的状況から脱することができません。

危機なんですから。あーちょっとヤバイかもー(笑)

なんていう状況ではないのですから。

中学校1年の『音の性質』、これは音の大きさや高さの秘密に迫る内容ですが、これをなくすとか。音の人に叱られますけど。

どこかを削らないと。そうしたことをしていかないと。いつまでたってもゴールは見えません。

現状の危機的な状況を鑑みると、道徳や総合もなども減らすべきです。

人もいらないし、お金もいらない解決策

授業時数は減らすのですから、

•人もいらないし

•お金もいらない

(もちろん内容を精選する人のマンパワー、各方面の人を納得させるマンパワー、時間、労力、賃金はいりますけど)

だから、すぐできるのです。障害が小さいのです。部活動指導員なんて人もお金も時間もいるから、すぐできません!そんなことを議論してる時間が無駄無駄ァ。

授業内容を減らすのは障害が小さいからやりやすいのです。保護者の方々も今の惨状を見れば納得してくれるはずです。

確実に効果があり、教員も少なくてすむ、なり手もわんさか増える

授業時数は減らしてしまえば

•確実に効果がある(負担が減る、早く帰れる)インパクトは絶大。

•教員の数も今より少なくてすむようになる(定数は増やさなければいけないけど)

•なり手もわんさか増える^_^(ジョークです。他の業界も人手不足の状態。いくらやっても教員のなり手は十分に増えないでしょうが、、、)

とにかく一石二億鳥くらいあります。

 

②各教員の持ちコマ数上限を決めて例外なく守ることについては

ベストは部活動や分掌などにも重みをつけることです。最低限、『担任』には重みをつけます。

現状とんでもないコマ数、分掌、重みで業務を行っている先生がいるからです。

学校の業務は教員全員でわっても1人あたり150%くらいの業務量があります。すでにフルパワー超えているのですが、90%くらいで帰ってしまう先生(こういう先生方が悪いと言うわけではありません、家庭の事情などいろいろありますから。)も一定数いるので、その仕事は働く先生にのしかかっているのが現状です。

働く先生は最大HPの200%くらいの業務量をこなさなければいけません。これでは持続性がないので、上限を決めなければ冗談抜きで、人が亡くなります。これまでも人が亡くなっています。

だけど例外なく守ることは現状難しいです。なぜなら重みをつけて上限を決めて、正確にこのルールを守ろうとすると現状では教員が足りなくなって学校が回らなくなるからです。

学校業界が得意な『臨時』祭が開催されます。

『臨時』免許とか得意ですからね。

『臨時』のコマ数上限解除、『臨時』卍解、臨時界王拳2000倍が常時行われて、それもうもはや『臨時』じゃねーだろというくらい『臨時』されちゃって、それが定常状態になります。

例外なくコマ数の上限が決められて守られるためには、やはり授業時数の削減、教員の定数増加が必要です。

ちなみになんですが、私の過去最高の重みは以下のような感じです。

・新採用1年目(教員3年目)

・3年担任(初めての進路指導があり)

・初任者研修(+提案授業5回)

・初任研担当の先生からの講義(週2コマ)

・理科担当(1、2、3年生、全5クラス、理科教員は学校で自分1人だけ)

・卓球部主顧問(卓球は未経験)

・校内研究授業(校内代表1回)

・週の純粋な空きコマ数『2』。ギチギチでした。

宿題の点検、日記へのコメントなど給食を30秒で食べでやっていました。

生徒会などの重たい分掌は担当してなかったですし、もっと過酷な状況で働いている先生方もいらっしゃるでしょうが、

初めての3年生担任で進路指導もあるのに、学校に理科教員が自分1人で、

3学年全ての授業、授業準備、テスト作成、丸つけなど、、、とても大変でした。

学校規模が小さく教員1人ひとりの分掌業務、学校行事で担当する業務が多く、それも大変、、、

朝6時半までに学校に行って、授業•実験の準備〜部活後に授業•実験の準備をして毎日21時くらいに帰宅して、夕食後、家でウトウトしながら板書計画を考えて、、、自転車操業のような感じでした。当時タイムカードは無かったですが、持ち帰り仕事も含めると8月以外の超勤時間は月に最低150時間はあったと思います。

同じ状況でもう1年いったら死んでいたと思います。もしくは、このとき自分に小さい子どもがいたら自分は死んでいたと思います。

幸い担任したクラスの子どもたち、学校全体の雰囲気も落ち着いていて、優しくて、体はきつかったですが、楽しく充実した1年間を過ごすことはできました。

校長面談で大変さを訴えて、

翌年となりの小学校と兼務の理科教員が来てくれて1クラス持ってくれることになり、少し楽になりました。

きつい時は、どこかに訴えましょう(><)

まとめ

今回は教員の働き方改革における危機的状況を打開するために、本当に必要とされる事項について提案しました。

ほんの少しでも参考になると嬉しいです。

先生方どうか学校の中から、管理職の先生と、組合の中で、少しずつ協議を進められてはいかがでしょうか。

先生方のワークライフバランスがより充実しますように。

ABOUT ME
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元中学校理科教師です! 全国の先生方、お父さん、お母さん、いつもお疲れ様です! 教員として頑張ってきたこと、楽しかったこと、悩んだこと、辛かったこと、、、いろいろな経験をもとに、ほんの少しでも皆様の役に立てるような情報を発信していきたいと思います! 訪問お待ちしております!